- 保険適用される薬とそうでない薬の種類
- 保険適用に薬でどれくらいの効果が期待できるか
- ニキビ跡は自力で治せるのか
- ニキビ跡の治療は保険適用されるか
- 保険適用外の治療でかかる費用
保険適用される治療と保険適用されない治療
皮膚科では、ニキビを主に薬を用いて治療をする際に保険が適用されます。ニキビの段階・症状に合わせて毛穴の詰まりを改善する外用薬や内服薬などが処方されます。
ただし、美容皮膚科で行うケミカルピーリングやイオン導入やフラクショナルレーザーといった、ニキビ跡に対する治療の場合は保険適用外の治療となります。
ニキビを自宅で治そうと考えている人も多いと思いますが、ニキビ跡になってしまうと自力で治すことが難しく、治療も保険適用外となってしまうので、早めに受診してみるといいでしょう。
保険適用で処方される抗生物質の塗り薬
皮膚科のニキビ治療に用いられるものとして、このようなものがあげられます。中でも、アダパレンや過酸化ベンゾイル、は「尋常性挫創治療ガイドライン2017」の中で「強く推奨する」とあるので、高い効果を期待できるでしょう。
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・ディフェリンゲル(アダパレン)
・べピオ(過酸化ベンゾイル)
・デュアック
・エピデュオ
・ダラシンゲル / アクアチムクリーム
赤ニキビのような炎症を起こしている場合は、殺菌効果のある抗生物質が処方されるケースが多いです。ただし、抗生物質の塗り薬は耐性菌の問題があり、治療のガイドラインでは単独での利用は避けるべきとされています。
皮膚科ではニキビの状態を確認した医師が、あなたのニキビに合わせたお薬を処方してくれるので安心して治療を受けることができますね。
今回紹介した外用薬の効果は高いですが、副作用もあるので、医師の指示のもと、適切な用法・用量を守って使用するようにしてください。
ディフェリンゲル(アダパレン)
ディフェリンゲルは保険適用内で、ニキビ治療の中心となる薬剤です。異常角化している表皮の細胞の角化(角質層が厚く硬くなること)を抑制して毛穴の詰まりを改善します。
- ・毛穴の詰まりを改善。
・白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビに効果。
・軽症のニキビから重症のニキビまで広く使用される。
べピオ(過酸化ベンゾイル)
べピオは過酸化ベンゾイルと呼ばれる薬剤を2.5%含むもので、ニキビの原因のアクネ菌やブドウ菌を殺菌する効果があります。
また、耐性菌を生じにくく、長期で使用することができるというのもべピオの特徴です。
- ・アクネ菌の増殖を抑制する殺菌効果。
・毛穴の詰まりを改善。
・長期でニキビ治療をする人に最適。
デュアック
デュアックは過酸化ベンゾイルとクリンダマイシン(ダラシン)を混ぜたもので、べピオと同様に殺菌効果がありますが、クリンダマイシンと合わせたことでより高い効果を得ることができます。
ただし、耐性菌を生じる可能性が出てきます。
- ・細菌に対してより強い抗菌作用。
・抗炎症作用。
エピデュオ
ディフェリンゲルと過酸化ベンゾイルを合わせたもの。強い効果を期待できるが、副作用も出やすくなってしまっています。
- ・アクネ菌の抑制
・毛穴の詰まりを改善。
ダラシンゲル / アクアチムクリーム
ダラシンは軽度のニキビから赤ニキビ(炎症性皮疹)の改善に効果があります。また、抗炎症作用も持っているため、抗生物質と併用する場合もある薬です。
- ・アクネ菌などに対しての殺菌作用。
・抗炎症作用。
保険適用で処方される内服薬
ニキビ治療は内服薬だと、これらの薬を用いて治療を行います。内服薬として抗菌剤や抗生物質を使用することが多いです。
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・ミノマイシン
・ビブラマイシン
・ロキシスロマイシン
・クラリス
・ファロム
・ビタミン剤
ニキビが重症化しているときに強めの抗生物質を服用する場合、ある程度早めに良くなることもありますが、胃がやられたり、下痢を引き起こすといった副作用も出やすくなるので注意が必要です。医師の指示に従い、用法・用量を守って適切に服用するようにしましょう。
ミノマイシン
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・炎症を抑える抗炎症作用がある。
・耐性菌が生じにくい。
ミノマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質でニキビの原因となる最近のたんぱく質の合成を阻害し、増殖を抑えます。
長期的に内服しても耐性菌が生じにくいことが分かっている反面、めまいや色素沈着といった副作用が出てしまう阿合もあります。
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
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・抗菌作用や抗炎症作用がある。
・ミノマイシンよりも推奨度が高い。
ビブラマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質でミノマイシンと同様に抗菌作用や抗炎症作用を持っています。
ただし、ミノマイシンよりも「尋常性挫創治療ガイドライン2017」の中で推奨度の高いものとなっています。
ロキシスロマイシン
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・抗菌作用や静菌作用がある。
ロキシスロマイシンはマクロライド系の抗菌薬でニキビの原因となるアクネ菌に対して抗菌作用があります。また、静菌作用と呼ばれる最近のたんぱく質の合成を阻害して増殖を抑える効果もあります。
クラリス
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・長期間安全に利用できる
・ニキビの原因が作る防御膜を破壊できる
・長期間安全に使用可能
クラリス(クラリスロマイシン)はマクロライド系の抗生物質に分類される医薬品で、人にはなくて細菌が持っているたんぱく質-RNA複合体の働きを阻害して細菌の増殖を抑える効果があります。
また、長期間安全に使用可能、遺産に強く、高い血中濃度を保つことができるという特徴もあります。
ファロム
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・赤いニキビや化膿しているニキビに有効
・殺菌作用がある
ファロムはペネム系の抗生物質で、細菌の細胞膜にあるたんぱく質に結合することで合成を阻害し、殺菌作用を示します。また、食時の摂取したかどうかに限らず服用できたり、他の薬との齟齬作用が少ないというのが特徴です。
ファロムに限らずですが、長期的に使用すると耐性を持つ菌が出現するため、効きにくくなる場合も。そのため、医師の指示に従い、用法・用量を守って服用するようにしましょう。
ビタミン剤
ニキビに対して直接強い効果を示すわけではありませんが、ニキビになりにくい肌になるために治療の補助として使用することもあります。
特に、ビタミンBやビタミンC、ビタミンEを積極的に摂取するよう意識してくださいね。
ビタミンB
脂質の代謝を活発にして皮脂の分泌量を適正に保つ働きがあります。ビタミンB2が不足するとニキビができやすくなったりも。糖分の代謝をする際にはビタミンB群を大量に消費するため、糖分を摂りすぎてしまうとビタミンB群が不足し、ニキビができやすくなってしまいます。
また、肌のターンオーバーを正常に戻したり、免疫力を高めたりする効果などがあるので、積極的に摂取しましょう。
ビタミンC
ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、シミ・しわの改善、肌荒れを予防する効果もあります。たばこの吸いすぎやストレスによってビタミンCを失う原因になります。また、ビタミンCは水溶性で体内にためておくことができないので、こつこつと食事等から摂取するようにしてください。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用があり、活性酸素を除去するため、シミやしわの改善に効果があります。そして、ターンオーバーの促進してくれるので、ニキビ跡の改善にも効果を期待できます。
肌の細胞膜を参加させてシミやしわ、色素沈着の原因になる。
保険適用のニキビ・ニキビ跡の治療はどれくらい効果が期待できる?
ニキビの状態や肌質は一人ひとり違いますが、軽症~中症のニキビであれば処方された薬でニキビを改善することが可能です。
ただし、保険適用内のニキビ改善の治療で効果が得られないという場合は、保険適用外のニキビ・ニキビ跡の治療も考えてみると良いでしょう。
保険適用外の治療となると、どうしても費用が高くなりがちなので、日ごろからニキビを作らないように日々の生活を意識したり、ニキビができてしまっても保険適用の治療ができるうちに受診するようにするといいですね。
どれくらいのニキビ跡ならセルフでも治せる?ニキビ跡の種類別に解説
ニキビは落ち着いたけれど、ニキビ跡になってしまったと悩んでいる人もいるのではないでしょうか?それぞれのニキビ跡の種類と治し方について解説していきますね。
赤みのあるニキビ跡
赤みのあるニキビ跡は「炎症後紅斑」といい、毛細血管が増えて肌が赤みを帯びた状態のことを言います。たいてい、肌のターンオーバーによって自然と治るため、ターンオーバーを促進する薬などで自然と治ります。
しかし、皮膚の深いところまで炎症が起きてしまっていた場合はなかなか治らない場合があるので、その場合は保険適用外の治療を受けることも考えてみてもいいかもしれません。
色素沈着のあるニキビ跡
色素沈着したニキビ跡はニキビの炎症が続いてメラノサイトが活性し、大量のメラニンが生成されてしまうことでできてしまいます。
赤みのあるニキビ跡と同様に肌のターンオーバーによって自然と薄くなっていきますが、なかなか消えない場合もあるので、美白化粧品を使用したり皮膚科で治療を受けたりして治療するといいと思います。
また、自力で治す場合は長期間かかることは覚えておきましょう。
くぼんだニキビ跡(クレーター)
ニキビの炎症が真皮層と呼ばれる深い場所まで広がり、真皮の組織を壊してしまうことでくぼんだクレーター状のニキビ跡ができます。こうなってしまうと、自力で治すことは難しいので、皮膚科で治療を受けてください。
ニキビ・ニキビ跡の治療はどれくらいの期間で効果が出るの?
ニキビの治療は大体2週間から3カ月ほどはかかります。自力で治そうとする人や病院を受診して治療する人など、それぞれ状況は違うと思いますが、肌のターンオーバーを促して治療する場合は長期間かかるということを把握しておきましょう。
薬や美容皮膚科等での治療で、肌の赤みが出てしまったり、皮がむけてしまったりする副作用が出てしまうこともあるので、医師に相談して適切に処置するようにしてください。
ニキビ跡の治療は保険適用される?
ニキビが治った後に赤みが残ったり、色素沈着してしまったり、肌に凹凸ができてしまったという場合は、美容目的の治療のため、保険適用外になります。
ニキビは「尋常性ざ創」と呼ばれており、しっかりとした病気になるので、ニキビは保険診療になるというわけです。
あくまで保険適用はニキビの炎症を抑えることやニキビの予防が目的ということを覚えておきましょう。
ニキビ跡の治療や予防をしたい場合は美容皮膚科自由診療で治療を受けるようにしてください。
治りにくいニキビは自由診療もおすすめ
ここで治りにくいニキビの例を2つ挙げます。
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・重症のニキビ
・大人ニキビ
このようなニキビに当てはまって保険適用の治療で満足できなかった人や、ニキビをとにかく早く治したい人は自由診療を検討しても良いでしょう。美容皮膚科では先ほど紹介したようなニキビ跡の治療も対応してくれます。
また、最近はオンライン診察という、自宅にいながら手軽に医師の診察を受けることができるサービスもあるので、試し見るといいかもしれません。
重症のニキビ
誤ったスキンケアなどによってニキビが悪化してしまったという場合は保険適用内の治療だけで治すことが難しくなってしまう場合もあります。
ニキビやニキビ跡は気になってしまって隠したい、人に見られないようにしたいと思う人は多いのではないでしょうか?
そんな方は早く治すために皮膚科を受診して正しいケアの仕方を教えてもらったり、場合によっては美容皮膚科などで自由診療の治療を受けて改善することも視野に入れてみるといいと思います。
大人ニキビ
大人ニキビは頬や口周り、顎などの乾燥しやすい部位に多く発生してしまいます。これは肌が乾燥してしまうことでできるからです。
肌が乾燥してしまうと肌のバリア機能が低下してしまったり、肌を潤うようにするために過剰に皮脂が分泌されて毛穴をふさいでしまうことからニキビ出来てしまうというわけです。
しっかり保湿をしたり、生活習慣の見直しなど、日々の生活を改善することも大事ですが、正しい方法が分からない、早く治したい、という場合は一度診察を受けて治療してみるのもいいでしょう。
保険適用外のニキビ・ニキビ跡の治療はどんなものがある?
では美容クリニックで代表的に行われるニキビ・ニキビ跡の治療方法を4つ紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリング治療は、肌表面の角質層をケミカル剤で薄く剥がし、新しい肌を再生させる治療法。主に顔や首、手などの肌トラブルに使用され、美肌効果があります。
具体的には、ニキビやニキビ跡、色素沈着、シミ、小じわ、肌のくすみやテカリ、毛穴の開きなどに効果を期待できます。
施術回数や間隔は、肌の状態や目的によって異なりますが、1週間~1ヶ月程度の期間をあけて受けることが一般的です。
イオン導入
イオン導入治療は、微弱な電流を使用して、肌に栄養成分を浸透させる美容治療の一種。特殊な導入器具を使用して、ビタミンCやヒアルロン酸、コラーゲンなどの成分を肌の奥深くまで届けます。
イオン導入治療は、肌の潤いやハリの改善、肌のターンオーバーの促進、ニキビの改善に効果的です。
イオン導入治療の効果は、一度の施術ですぐに実感できますが、持続的な効果を得るためには、継続的な施術が必要です。施術間隔は個人差がありますが、一般的には1週間から4週間に1回の施術が推奨されています。
ダーマペン
ダーマペン治療は、肌の再生促進を目的とした治療方法。ダーマペンという専用の器具を用いて、肌に微細な穴を開けることで、肌の再生を促します。
治療により、コラーゲンやエラスチンの生成が増加し、肌のハリや弾力が向上することが期待されるでしょう。また、毛穴の詰まりやシミ、ニキビ跡、肌のたるみ、くすみ、色素沈着などの改善にも効果的です。
ダーマペン治療の効果が出るまでの期間は、個人差がありますが、治療直後から効果を感じることができます。しかし、本格的な効果が表れるには、治療を何度か受ける必要があります。一般的に、3週間~4週間に1回のペースで行うといいとされています。
ポテンツァ
ポテンツァはダーマペンの進化版といわれていて、症状改善や美容目的で用いられる治療法のひとつ。高周波を使用し、微弱な電気刺激でコラーゲンやエラスチンなどの皮膚成分を生成し、肌のハリや弾力を改善することができます。
顔や首、デコルテなどにおいて、肌のハリや弾力、たるみ、小ジワ、シミ、美白効果など、多岐にわたる美容症状の改善に効果があります。
施術の頻度は1か月から3カ月に1回が目安。3回ほどの施術を行うことで約1年効果が持続するといわれていますが、症状や治療目的によって異なるので医師と相談するようにしましょう。
保険適用外の治療だとどれくらいの費用がかかる?
保険適用外の自由診療は美容皮膚クリニックによって価格の幅が大きく変わってくるので注意してください。
以下に料金をまとめたので参考にしてみてください。場所によって使う薬剤や取り扱う機械の機種なども違うので、治療の目的や自分の予算を考えて選ぶようにしましょう。
ケミカルピーリング | 1回 5千円~5万円(使う薬剤によって異なる) |
イオン導入 | 1回 5千円~1.5万円 |
ダーマペン | 1回 約2万円~3万円(顔全体) |
ポテンツァ | 1回 約10万円~20万円(顔全体) |
皮膚科での保険適用の治療はニキビの炎症を抑えること、新しいニキビができないようにすることが目的で、美容皮膚科では美肌を目指すことが目的です。
そのため、自分の目的と治療の効果や費用が予算内なのかをしっかりとカウンセリングを通して確認するようにしましょう。
保険適用と保険適用外の治療はどんな違いがあるの?
治療法、費用、選ぶ基準で保険適用と保険適用外ではどのような違いがあるのかみていきましょう。
保険適用と保険適用外の違い①:治療法
保険診療でのニキビ治療
ニキビは「尋常性挫創」と呼ばれる病気のため、皮膚科で保険適用内の治療が可能です。基本的には内服薬や外用薬を用いて治療を行います。
皮膚科の保険適用の治療はニキビを治すことが目的で、ニキビ跡になってしまったものを治療することはできません。内服薬や外用薬は効果に個人差があり、適切な用法・用量を守って使用するようにしましょう。
保険診療外でのニキビ治療
美容皮膚科では保険適用外のダーマペンやレーザー治療などの施術を受けることができます。ニキビ跡になってしまってなかなか治らないというもの魔で対応することができるので、症状がひどいものはこちらの方で改善することもあります。
また、ニキビやニキビ跡の治療をしながら今後ニキビができない肌、美肌を目指すことができるのも特徴です。ただし、治療の種類によってはダウンタイムがあるので注意しましょう。
保険適用と保険適用外の違い②:費用
保険診療の費用
保険適用のニキビ治療の費用は、3割負担が基本です。初診料や再診料、薬代などもかかりますね。
保険診療外の費用
保険適用外はどの美容皮膚科でどんな治療を受けるかによって変わってきます。保険適用外の治療は保険適用の者と比べて比較的金額が高くなってしまいます。
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